私が初めておじさんに会った時には、既におばあさんを殺害した後でした。優しいおじさんが人を殺していた事や、人間は人を殺していてもあんなに優しい雰囲気が出せる事などにかなりショックを受けた事を覚えています。

次に、16歳の時通り魔に遭いました。夜の十時頃、バイトの帰り。背後からいきなり口を押さえられ、車に連れ込まれそうになったので抵抗しました。
抵抗したときに通り魔が持っていた刃物で少し怪我もしましたが、何とか逃げられ、犯人もその後捕まっています。

20歳の時には、高校時代にやってたバイト先で割と仲の良かった先輩が殺されました。

25歳、自宅マンションの入り口で、いきなり背後から押さえられました。相手はフルフェイスのヘルメットをかぶり、右手にはメスのような刃物。
メールボックスが死角になるような造りだった為、連れ込まれて体を触られましたが、人が来て逃げていきました。

同じく25歳の時、また違う通り魔に遭いました。この男が一番怖かった…

ある日、友達と遊んだ帰り、自転車で駅前から帰りました。駅前から離れようとした時、一台の車が凄く気になって、何だかイヤな予感がしたので、大通りを通って帰る事にしました。

予感は的中し、その車はずっと私の１ｍ程後をつけてきます。

自宅マンションは目の前だけど、その前の信号の辺りが危険な気が…当たりでした。

車は急に私を追い越し、信号を渡った所で車を停め、１人の男が降りてきました。ヤバイ！と心の中で叫びながら、私は信号を渡らず全速力で道を曲がりました。それを見た男は車に飛び乗り、猛スピードで追いかけてきました。


「どこ行くの？遊びに行こうよ」
「…いえ、親が待ってるので」

チラっと見えたのは、後部座席にノコギリとか工具類が山積み…この車でナンパ？

「遊びに行こうよ」
「いえ！親が待ってるんで！！」
「じゃあ、先に行きなよ」
「いえ、先に行って下さい！」
「先に行きなよ」
「いえ、先に行って下さい！！」

そんなやり取りを繰り返していると。

「そのままそこでじっとしてたらすぐ済むから」男はそう言って車から降りてきました。

明らかに何かを持っている後ろ手にした右手、左手には白い紙のようなもの。どう見ても、目がまともじゃありません。

「それ以上近づいたら大声出しますよ！」

男は私の警告で一旦立ち止まりましたが、「じっとしてたらすぐ済むから」と、また近づいて来ようとしたので、「大声出しますよ！」もう一度ダメ元で警告したら、男は再び立ち止まって何か考えるような素振りをしてから、車に乗り込みやっと立ち去ってくれました。

男が立ち去った後、つけられていないか確認しながら部屋に帰り、しっかりと鍵をかけたところで、崩れ落ちました。一番無傷で済んだけど、一番恐怖を感じました。

後日、知り合いの警察の方に話したら、「危なかったね～。多分殺されてたよ。元々ナンパじゃなくて殺すのが目的で連れ去る気だったんじゃないかな」と言われました。

こんなに犯罪に縁があるのって何なんでしょうか？今、生きていられる事が不思議です。