男の肩にバッグが当たり、離れた男が肩を押さえた所に、勢いが止まらないバッグの２打目が頭部にヒット！男はバッタリと倒れました。破れたバッグから飛び出したのは缶詰。そういえば、台風に備えて、家族４人分の缶詰を買い足していたのでした。ピクリともしない男。

…やばい、殺した？
私殺人者？
子供は殺人者の息子になるの？
年取った親はどうなるの？

近くには誰もいないし、逃げちゃおうかと思ったりもしたけれど、膝はガクガクでまともに歩けそうにもありません。震えながら、携帯で警察に電話しました。

警察がくるまではものすごく長く感じました。実際には数分後、やってきた警察が救急車を呼んでくれて、私は婦警さんとパトカーに乗せられて警察署へ。

結果的には、男は顎先にバッグが当たって、脳震盪で気絶していただけでした。

相手が刃物を持っていた事、婦女暴行の前科があった事で正当防衛で私は無罪放免。被害届を出して終わりました。

駆けつけてくれた姑が泣きながら、「お前が嫁に買い物をさせるから！」と同じく駆けつけてくれた夫をビンタ。
「そもそも缶詰なんて重い物はお前が買いに行け！」と、夫を打ち続ける姑をお巡りさんと必死で止める。

ようやく落ち着いたところで、ふと気づきました。

「あれ？今家には誰がいるの？子供達は何処？」

三人とも真っ青。小学校低学年の息子達には、鍵を持たせていません。

時刻は１８時、しかも台風直撃中。慌てて家に帰ると、家には灯りが点いていて、息子達は何事もなかったかのように、中でゲームをしていました…

もう本当にショックや安堵やらで全身から力が抜けて、リビングでワンワン泣いて、そのまま気絶。気絶する瞬間、目の前が真っ暗になり、ゆっくり天井が廻ったのを覚えています。

本当に怖い思いをした一日でした。