母がヤバイ。
うちは農家ですが、長男の俺も、弟も妹も別の職業に就き、父の代で廃業することに決まっています。農家に嫁いだ母は姑・小姑にいびられて苦労しました。親父は空気。ガキの頃からそんな両親を見てきて、親父のようにはなるまいと思ってきたし、母も「あんたはお父さんみたいにはならないで」とよく言っていました。


ある年のGW、嫁さん候補を連れて俺は実家に帰りました。その場ではなごやかに紹介も済んで和気藹々でしたが、二ヶ月もしないうち、彼女に別れ話をされました。

「え?なんで?」と聞く俺に、彼女は言い渋っていましたが、食い下がると、「あなたのお母さんが…」と。

実家に連れて行った後、ずっとうちの母から携帯に脅迫メールと電話が毎日毎日かかってくるとのことだった。「まさか…母は嫁いびりされてきたし辛さはわかってるから、そんなことするわけない」と言ったら、携帯を見せられました。

マジで母。留守電に入ってる声も母だったし、履歴も実家もしくは公衆電話。メアドも母のもの。

留学経験がある彼女に、「外国暮らしでさぞ外人男の×××をたっぷりくわえこんできたんだろう」「肌の黒い子を中絶したに決まってる。そんな淫乱はうちにふさわしくない」等々、気が触れたかと思う内容に加え、「コロす」「火をつける」といった脅迫ワードも満載。慌てて母に連絡をとると、母はあっさり認めました。

母がつねづね言ってた「お父さんみたいにはならないで」とは、「自分の嫁さんをちゃんと守れる夫になれ」ではなく、「あんたの代になってあんたの天下になったら、お父さんみたいにあたしをないがしろにしないで、何事もあたし中心であたしのことを立てる男になって」という意味だったらしい…

彼女の携帯とメアドは俺の携帯を盗み見たそうです。

結局、彼女とは別れました。母の攻撃が止まなかったのと、彼女に「もう係わりたくない」と泣かれ、別れるしかありませんでした。母は大喜び。正直、母を殺してやろうと思いましたね。

そして俺は、それからずっと彼女を作れません。弟や妹にはこっそり事情を話し、絶対に母に彼女や彼氏の存在を言わないよう釘を刺しました。今度彼女ができたら、家を捨てようと決心しています。