夏休みの時の話です。当時私は小学4年生でマンションに住んでました。

マンションが改築されてる最中でした。そのマンションの広場を抜けて帰ろうとすると、母が友人達と井戸端会議の真っ最中。

話が終わるのを待っていると、友達のKちゃんに遊ぼうと声を掛けられました。広場でマンションの子供たち数人と追い掛けっこをしました。

途中、ゲンコツ大の灰色のコンクリの欠けらを何個か見かけました。広場は、30cm四方の赤や緑や黄色のコンクリがはめ込まれていましたから、灰色のコンクリがあるのはおかしいのです。

誰かが持ち込んだのかなと思ったら、後ろから「わあっ!」とKちゃんの大きな声が。
「どうしたの?」
「空からコンクリが落ちてきた」
そう言うKちゃんの手の中には5cmぐらいのコンクリ片が。

遊び疲れた私は雑談中の母より先に家に帰ろうとKちゃんにさよならを言い広場を後にしようと離れました。

すると遠くで母が「危ない!」と叫びました。どうしたのかな?と振り返った瞬間、私のすぐ手前に長方形のコンクリブロックがガシャン!と音を立てて落ちてきたのです。空からコンクリが落ちてきた!咄嗟にマンションを見上げました。

Kちゃんが「誰かいる!」と指を差した方向を見ると、マンション9階の最上階に人影が…。追い掛けっこしたみんなで階段を駆け上がり最上階まで登ります。

そこには改装工事で使われたと思われるコンクリの欠片と、小さな男の子が2人。「何してるの?」Kちゃんが聞きました。

その2人の男の子の一人はKちゃんの弟だったのです。「石を投げてた」と悪びれもせず話す弟に対し、Kちゃんは「危ないから一緒に帰ろ?」と言うので、みんなで階段を降りました。降りると母が「大丈夫だった?」と私の頭を撫でます。

マンションの9階からコンクリが落ちて私の頭に当たっていたら、私はきっと死んでいたと思います。それを考えるとゾッとするのですが、今思うとKちゃんの弟は、Kちゃんを狙って投げていた気がします。