夜中の3時頃、人も車も通らないような夜道で、サンドイッチをぱくつきながら帰っていた時のことです。

途中で一人の男とすれ違い、ちょっと気まずいなぁと思っていたら、突然、後ろから走り寄ってくる足音。
振り向くとその男がナイフを構えていました。

腕を掴まれ、「こっちへ来い」と引っ張られるままになる私。そのままついていくと、男は数メートル先のT字路で曲がろうとしました。その瞬間、私は腕を振り解いてまっすぐに進みはじめました。

抵抗されると思っていなかったのか、男は愕然としています。しばらくしてやっと我に返ったのか、

「これが見えないのか、抵抗すると刺すぞ」

と私の腕を掴み今度は脅してきました。無言で男の目を見つめ、腕を振り解こうとする私。 男は無言でナイフを振り上げ刺そうとしてきます。私はそれをやっぱり無言でよけていきます。お互い無言同士の数分の攻防。

やがて男は、「もう良い、行け」とかほざいて去っていきました。

とりあえず、目を逸らしたら負けな猫の喧嘩ルールは対人でも有効なんですね。