いや~、ちょい前にすごく手の込んだ泥棒にあってしまいました。

娘(当時小学3年生)のお友達のAちゃんの母親に突然呼び出されました。

「緊急です。我が家に来てください。」

なんてメールで来るから何事かと。しかし、上がらせてもらってお茶をご馳走になったは良いけど、別に何も緊急性のある話は出てこず、それどころか世間話のみ。
流石に疑問を持ったので、「で、緊急のお話とは?」と聞くと、「言いにくいんだけど、我が家の子供がちょっとね。いじめられてるみたいで。」と。

その事で相談したかったんだけど、なかなか言い出せなかったそうな。寝耳に水だったけどそう言うことなら~と、1時間ほど相談に乗り、その日は帰宅。

次の日、我が家に警察を引き連れたBさんがやって来ました。Bさんの子も娘の同級生。Aさんとは顔見知りです。

「お宅、Bさんのお財布を盗んだ疑いが…。」

と言われて、「は?」状態。普段Bさんとはそんなに接点はないのですが、向こうは引かず。それならばと家に招きいれ、お話を聞くことに。
家に上がったのは、警察の方とBさん。そして何故かAさんも。Aさんは「呼び出されたの。」と言い一緒に上がってきました。

お話を聞くと、先日保護者会があったのですが、そこでBさんのお財布がなかったという話に。探したけどない。他の方にも聞いたけどない。警察には届け出たけど全然証拠もない。
そこで、すぐ近くに座っていたAさんが「○○さん(私)が盗ったのを見た。」と言うのです。

最初Bさんは「え~それはないでしょう?だって、あの人の席遠いし、別に今日は余り接触しませんでしたよ?」とは言ってくれたようなのですが、Aさん曰く、「Bさんがトイレに行ってる間、止めたのにかばんをあさって見ていた。あの時じゃないか?」と言うこと。うーん。

じゃあなんでAさん昨日言ってくれなかったんだろう?って多少疑問に持ちましたが、まあ疑われているのも気持ち悪いので、まずバッグを見せることに。
「これ、保護者会にもって行ったバッグですが。」と言って出して、警察立会いの元で開いたけど、もちろん自分の持ち物しか出ませんでした。

Aさんは「違うよ。そっちの赤いバッグじゃない?」と、全然違う後ろに置いてあったバッグを指差しました。
「いやあ、これは違うし普段使いですよ?」と言っても、「いや、私さんの思い違いでそちらでしたよ?」と言うので、一応開けて見ることに。そしたら、コロンと、見覚えのないお財布が出てきました!

「あー!私の!ねぇ私の!!」と、Bさん大騒ぎ。

私も、何故そこから出てきたのか判らなくて、ビックリして固まってしまいました。Aさんは、私に同情の目をむけて「ほらやっぱり……でも魔が刺したのよね?」と。
警察の人も、なにやら「うーん」って腕を組んでちょっと考えっぱなし。

しかし次の瞬間、警察の人が「あっ!皆さんお財布に触らないでください!」と、お財布をビニールに詰め始めました。
「何故ですか?はやくBさんにお返ししなきゃ!」とAさんが止めても、「いやいやいや。指紋とか取らないと、これだけでは。」と、警察の方は、お財布をしまおうとしました。

中身も確かめる為、全員で警察署へ移動と言うことになりましたが、Aさんだけなにやら渋っている。
「財布も出てきたし、Bさんが訴えないって言えば、あなたは逮捕されないんでしょう?ならそうなさったら?」と、なんかあやふやなことを言い出しました。

警察署へ着くと、私は二人とは別室に通されました。

「ありのままをお話ください。これはどういう事か判りますか?」って言われたので、ありのまま、「いいえ、判りません。と言うか保護者会へ持って行ったバッグはあれじゃないんですけど。」と、それだけ言いました。

何を聞かれても何も判らず、余り記憶がないのですがとにかく「あのバッグは普段使いのもの」「保護者会には違うバッグで」しか言えませんでした。

警察の方も、それ以上聞いても無駄かな~って感じで、私の指紋を取ることに。指紋を取ってる途中、呼び出された夫が入室。夫、事情を聞いてビックリ顔でした。


しかし、

「お前昨日さ、Aさん家にいくのに普段使いのほら、あの財布が出てきたっつーバッグで行ったじゃん?関係ない?」って言い出して、警察の方&私、全員声をそろえて「あっ!」。

そのちょっと後に、コンコンとノックされ「ちょっと……」と、警察の方同士でボショボショと耳うち。
「あー……そう言う事でしたか!今ね、やっぱりこちらでもちょっと前にその怪しいと思われる証言出たんですよ。」なんて会話をして、耳打ちした人は退室。
警察の方が席に戻ってきて、「犯人判りました。Aさんですね。時間を取らせてしまって大変失礼しました。申し訳ない!」と、頭を下げられました。夫は「やっぱりね」って言ってました。

「意味が判らないのですが。えっとどういうことでしょう?」って聞いたら、夫はクスクス笑ってて「多分この部屋で判ってないのお前だけだよ」って言われてしまいました。

警察の方の説明では、私が犯人なのは最初から薄かったとの事。その理由は、

・バッグをアッサリと見せた。(普通犯人なら嫌がるか、渋る)
・バッグの中に、財布をそのままにしてあった事。(犯人なら証拠はそのままにしない)

この二点が、警察の方が私を犯人と断定することが出来なかった理由だそうです。
Aさんは別室で「状況証拠があるのに何故指紋取るの!あの人がかわいそうでしょう!?」と騒いでたそうで。
あきらかにAさんの方が怪しかったようで。私は指紋をアッサリ取らせました。だってそれしなきゃ帰してもらえないし。Aさんは指紋を取るのは最後まで拒否してたそうです。

被害者のBさんは、やっぱり別室で事情聴取をしてたそうなのですが、態度を見ていると、どうしても私が犯人とは思えなかったと言っていたそうです。
Aさんはかなり押しの強い人で、「絶対にあの人が犯人よ!見たもの!」と言われて、警察の人を連れてきたそうです。
警察の方と合流した際、Aさんはちょっと目を泳がせていたそうです。そこを警察の方は見落とさなかったようで「おや?」とは思ったそうです。

で、財布なんですが、私が前日に呼び出された時にバッグに滑りこませられていたそうです。気がつかなかった……。すごくすごく真剣に相談に乗ったのに。
Aさんは保護者会に持って行ったバッグと違うバッグだと言うことまでは考えていなかったそうで、色んな証拠をつきつけたら、Aさんは観念して泣きながら罪を認めたそうです。

またAさんの手口がすごく慣れていることとか、罪のなすり付け方が初犯ではないだろうと言うことで、警察お持ち帰りコースでした。

とりあえず、その日は帰れることになった私夫婦とBさん夫妻(旦那さんが後で来たそうです)。
ばったりと廊下で出くわして、Bさん夫妻も「なんか飛んだことに巻き込んでしまって…」「イエイエ」って感じで、余り会話もしたことなかったのに、その日から妙に仲良くなってしまいました。

あれからちょっと日数がたちましたが、Aさんは余罪ボロボロで詐欺罪(ちょっと詳しくは判りませんが)まであったらしく、塀の奥へ。お子さんはもちろん旦那さんが引き取り、今も娘と仲良くはさせて頂いています。
お子さんには罪はないですし、二人とも仲は良かったし。って言うか、冷静に考えるとA子いじめられてないじゃん……。

旦那さんは全然奥さんの罪を知らなくて、土下座行脚で10歳は年を取ってしまったようになってしまいました。見ていると辛いです。
他の方に「夫のくせに、妻の犯罪も見抜けないのか!」って散々罵倒されて、やつれて行きましたよ。

過去にも同じような手口を彼女はやってたそうですが、「まあ同級生の母親だし」って事で、なぁなぁにする人が多く、Aさんの思い通りに。しかしそのおかげで幼稚園時代の母親のグループが分裂しまくったそうです。

いい人だと思ってたんだけどなあ……。